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点呼・安全管理

軽貨物の点呼義務の基礎|何をどう確認し、どれだけ記録・保存するか

黒ナンバー(貨物軽自動車運送事業)は、業務前・業務後の点呼で酒気帯びや健康・車両を確認し、点呼記録簿に記録して1年間保存する義務があります。ひとりで運ぶ個人事業主でも必要な、点呼と記録・保存の基礎を整理します。

軽貨物ナレッジ編集部公開 2026年7月8日時点の情報
目次
  1. なぜ点呼と記録が義務になったのか
  2. 点呼は業務前と業務後の2回 — 何を確認するか
  3. 点呼記録簿に何を書き、どれだけ保存するか
  4. 安全管理者の選任・講習・届出
  5. 結局どうすればいいか

黒ナンバー(貨物軽自動車運送事業)で荷物を運ぶなら、点呼と記録は事業規模に関係なく義務です。業務前と業務後の2回、酒気帯びの有無・健康状態・車両の状態などを確認し、その内容を「点呼記録簿」に書いて1年間保存します。ドライバーを何人も抱える事業者だけでなく、ひとりで運んでいる個人事業主(一人親方)でも同じように必要です。この記事では、令和7年(2025年)4月に強化された制度をふまえ、点呼で何を確認し、何をどう記録・保存すればよいのかを整理します。

なぜ点呼と記録が義務になったのか

令和6年の改正で「貨物軽自動車安全管理者制度」が新設され、令和7年(2025年)4月1日から施行されました。背景には、平成28年から令和4年までの6年間で、事業用軽自動車の死亡・重傷事故の件数が約5割増加したことが挙げられています。この改正では、(1)貨物軽自動車安全管理者の講習受講、(2)安全管理者の選任・届出、(3)初任運転者等への指導・監督および適性診断、(4)業務記録の作成・保存、(5)事故記録の作成・保存、(6)国土交通大臣への事故報告——がまとめて義務づけられました。点呼と記録は、この安全確保を日々の運行で回していく実務部分にあたります。

点呼は業務前と業務後の2回 — 何を確認するか

貨物自動車運送事業輸送安全規則第7条は、乗務を開始しようとする運転者に対して点呼を行い、報告を求めたうえで安全確保に必要な指示をすること、そして乗務を終えた運転者に対しても点呼を行い、その乗務に係る自動車・道路・運行の状況の報告を求めることを定めています。同条では、原則として対面で行い、運行上やむを得ない場合に電話その他の方法によるとされています。点呼を行って報告・確認・指示をしたときは、運転者ごとにその内容を記録し、記録を1年間保存しなければなりません。

確認する項目は、業務前点呼が「酒気帯びの有無」「健康状態」「車両の日常点検」の3つ、業務後点呼が「酒気帯びの有無」と「車両の状態・道路状況・運行中のトラブルの有無」です。乗務前に運転者に何らかの問題が確認された場合は、運行してはいけません。体調や飲酒などで安全に運転できない状態なら走らせない、という当たり前の歯止めを、記録として残す仕組みだと考えるとわかりやすいです。なお酒気帯びの確認について、アルコール検知器を使うかどうかといった具体的な手法の要否は制度上の位置づけが紛らわしいため、ここでは断定せず、最新の国土交通省の案内で確認することをおすすめします。

点呼記録簿に何を書き、どれだけ保存するか

記録は、国土交通省が公開している「点呼記録簿」のひな型(例)を使うのが確実です。書く内容は輸送安全規則第7条が定める記録事項に沿う形で、点呼の日時・方法・実施者、報告の内容・確認の内容・指示の内容、酒気帯びの有無などを運転者ごとに埋めていきます。具体的な記載項目は国土交通省が配布するひな型ファイルに載っているので、まずはその様式に沿って書くのが早道です。ひとりで運ぶ個人事業主が自分でどのように点呼を行うか(自己点呼の可否や方法)の細かな運用は、国土交通省の案内・通知で確認するのが確実で、ここでは断定を避けます。

保存期間は取り違えやすいので、3つに分けて覚えるのが安全です。点呼記録簿は1年間、業務記録(運転日報など)は1年間、事故記録は3年間の保存義務があります。点呼と業務記録は1年、事故だけ3年、という区切りで管理すると混乱しません。日々の点呼記録と運転日報、そして万一の事故記録は、それぞれ別に、期限まで確実に取り出せる形で残しておきます。

安全管理者の選任・講習・届出

事業者は貨物軽自動車安全管理者を選任する必要があります。安全管理者は選任前に「貨物軽自動車安全管理者講習」を受講し、選任後は2年ごとに「貨物軽自動車安全管理者定期講習」を受けます。NASVA(自動車事故対策機構)が実施する講習は、講習時間5時間・手数料3,700円です(2026-07-08時点)。選任の届出書式は各運輸局のサイトで公開されており、届出には事業者名、安全管理者の氏名および生年月日、選任年月日、講習修了年月日などが必要です。既存の事業者(令和7年3月31日までに届出をした事業者)には経過措置があり、令和9年(2027年)3月31日までに選任すればよいとされています。

守らなかった場合の罰則の例としては、事故報告義務違反が50万円以下の過料、選任義務違反が100万円以下の罰金、届出義務違反が100万円以下の罰金とされています(2026-07-08時点)。ただし罰則の金額や適用は法令改正・運用で変わりうるため、最終的には貨物自動車運送事業法や輸送安全規則の条文と、最新の国土交通省の案内で確認してください。

結局どうすればいいか

やることは大きく5つです。第一に、ひとりで運んでいても点呼と記録は義務なので、国土交通省の点呼記録簿ひな型をダウンロードし、毎日埋める習慣をつけます。第二に、毎日の運行で業務前(酒気帯び・健康・日常点検)と業務後(酒気帯び・車両/道路/運行の状況)を確認し、問題があればその日は走らせません。第三に、保存期間は点呼記録1年・業務記録1年・事故記録3年で分けて管理します。第四に、安全管理者は講習を受けて選任・届出を行い、既存事業者は経過措置の令和9年(2027年)3月31日までに選任を済ませます。第五に、講習手数料や罰則額、酒気帯び確認の手法などの細部は変わりうるので、国土交通省・運輸局・NASVAの最新の案内で都度確認するようにしてください(2026-07-08時点の情報です)。

出典・参考

官公庁など一次情報を中心に確認しています(確認日を併記)。

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