運行記録の付け方と保存のルール|黒ナンバーの業務記録・事故記録は何をどれだけ残すか
黒ナンバー(貨物軽自動車運送事業)は2025年4月から、業務の記録(運転日報)・事故の記録・点呼記録の作成と保存が義務です。業務記録は1年、事故記録は3年と保存年数が違う点に注意しながら、何を書きどれだけ残すかを整理します。
目次
黒ナンバー(貨物軽自動車運送事業)で荷物を運ぶなら、2026-07-08時点で、日々の「業務の記録(運転日報)」と、万一の「事故の記録」を自分で作り、決められた期間だけ保存しておく義務があります。2025年(令和7年)4月1日に施行された改正貨物自動車運送事業輸送安全規則によって、大手の事業者だけでなく個人事業主のドライバーまで、全員が対象になりました。要点を先に言うと——業務の記録は1年、事故の記録は3年の保存が必要で、この「年数が違う」ところが実務でいちばん取り違えやすい点です。この記事では、何を書き、いつ付け、どれだけ残すのかを順に整理します。
2025年4月から、黒ナンバーにも記録の義務が加わった
もともと緑ナンバー(一般貨物)のトラックは、貨物自動車運送事業輸送安全規則に基づいて運転日報の作成・保存を義務づけられていました。2025年4月1日施行の改正で、この規則が黒ナンバーの軽自動車にも及ぶようになり、業務の記録・事故の記録・点呼といった仕組みが、車両の台数や法人・個人の別に関係なく求められることになりました。ひとりで運ぶ個人事業主も例外ではありません。
同じ改正では「貨物軽自動車安全管理者」を選任する義務も新設されましたが、この選任については既存の事業者に2027年(令和9年)3月31日までの猶予があります(2026-07-08時点)。一方で、業務の記録・事故の記録・点呼といった日々の記録は猶予の対象ではなく、施行日から実施が必要です。「安全管理者の選任はもう少し先でよい」ことと「記録は今から残す」ことを混同しないよう注意してください。
業務の記録(運転日報)— 何を、いつ書くか
業務の記録に書く基本項目は、国土交通省の様式例をもとにすると次の6つです。①運転者等の氏名、②自動車の番号(車両番号)、③業務を開始・終了・休憩した日時、④業務を開始・終了・休憩した地点、⑤業務に従事した距離、⑥主な経過地点。加えて、荷主の都合で集貨・配達の地点に30分以上待機したときや、荷役作業・附帯業務を行ったとき、事故や異常な状態が起きたときは、その概要も書き添えるよう例示されています。
付けるタイミングは、業務の前後です。業務を始めるとき(開始の報告)と、業務を終えたとき(終了の報告)に記録するのが基本で、点呼とあわせて「走り出す前と、戻ってきた後」にセットで書く習慣にすると漏れにくくなります。業務の記録の保存期間は1年間です。
事故の記録と、重大事故の30日以内報告
事故を起こしたときは、業務の記録とは別に「事故の記録」を作ります。書く項目は、①乗務員等の氏名、②車両番号、③事故が発生した日時、④発生場所、⑤当事者(乗務員等を除く相手方)の氏名、⑥事故の概要(損害の程度を含む)、⑦事故の要因、⑧再発防止策の8つです。この事故の記録は、営業所(個人であれば事業の拠点)において3年間保存します。業務の記録の1年とは保存年数が違う点に注意してください。
さらに、死傷者が出たような重大な事故の場合は、記録を残すだけでは足りません。所定の様式によって、事故から30日以内に国土交通大臣へ報告する必要があります。重大事故では「事故の記録を3年保存する」ことと「30日以内に報告する」ことの二段構えになる、と覚えておくと安全です。
保存年限は「業務1年・事故3年」で分けて覚える
記録ごとの保存期間を最後に整理します。点呼の内容を書く点呼記録簿は1年間、業務の記録(運転日報)は1年間、事故の記録は3年間です。点呼と業務は1年、事故だけ3年、という区切りで覚えると取り違えません。なお点呼記録簿には、点呼をした人の名前・運転者名・点呼の日時・方法・酒気帯びの有無・運転者の疾病や疲労・睡眠不足などの状況を書きます。いずれの記録も、期限が来るまで確実に取り出せる形で、それぞれ分けて残しておきます(2026-07-08時点)。
結局どうすればいいか
やることを整理します。第一に、黒ナンバーで運ぶなら個人でも、業務の記録(運転日報)・事故の記録・点呼記録の作成と保存は2025年4月からの義務だと押さえます。第二に、業務の記録は業務の前後に付け、氏名・車両番号・開始/終了/休憩の日時と地点・従事距離・主な経過地点を書き、30分以上の待機や荷役作業・異常があればその概要も残します。第三に、事故が起きたら業務記録とは別に、当事者・概要・要因・再発防止策など8項目の事故の記録を作ります。第四に、保存年限は点呼記録簿1年・業務記録1年・事故記録3年と、年数の違いを分けて管理します。第五に、死傷者が出るような重大事故は30日以内に国土交通大臣へ報告します。安全管理者の選任には既存事業者への猶予がありますが記録・点呼は猶予されないため、猶予期限や様式などの細部を含め、最新は国土交通省・運輸局の案内で確認してください(2026-07-08時点)。
出典・参考
官公庁など一次情報を中心に確認しています(確認日を併記)。
- 国土交通省 自動車:貨物軽自動車運送事業者の皆様へ(点呼記録簿の例)(国土交通省)2026年7月8日 確認
- 貨物自動車運送事業輸送安全規則(e-Gov法令検索)(デジタル庁(e-Gov))2026年7月8日 確認
- 軽貨物運送の法令改正【業務記録・運転日報】(LC行政書士事務所)2026年7月8日 確認
- 軽貨物の業務記録の書き方(いとゆき行政書士事務所)2026年7月8日 確認
- 軽貨物の事故の記録の書き方(いとゆき行政書士事務所)2026年7月8日 確認
- 法改正で変わる軽貨物運送業!2025年4月からの安全対策強化制度を解説(こまいぬ行政書士法人)2026年7月8日 確認
- 【軽貨物】業務・事故の記録と国土交通大臣への報告を解説(軽貨物ライフワーク)2026年7月8日 確認
- 貨物軽自動車運送の安全対策強化、2025年4月から法改正(株式会社タイガー)2026年7月8日 確認
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