軽貨物ナレッジ by K-LEDGE
経費・税務軽貨物ドライバー向け

軽貨物ドライバーの確定申告の基礎|期間・青色申告・基礎控除・経費・帳簿をまとめて整理

軽貨物(黒ナンバー)ドライバー・個人事業主の確定申告の基礎を、申告期間・青色申告の控除と申請期限・令和7年分から変わった基礎控除・経費(家事按分/減価償却)・帳簿の保存まで、国税庁の一次情報で整理します。

軽貨物ナレッジ編集部公開 2026年7月8日時点の情報
目次
  1. 確定申告はいつ・誰がやるのか
  2. 控除で税額が変わる——青色申告と基礎控除
  3. 経費と帳簿——家事按分・減価償却・保存年限
  4. 消費税とインボイスの「2割特例」(期限つきの措置)
  5. 結局どうすればいいか

軽貨物(黒ナンバー)ドライバーとして個人で稼ぐと、原則として自分で所得税の確定申告をすることになる。要点を先に言うと、(1)申告は毎年決まった期間に行う、(2)「青色申告」を選ぶと控除が大きくなるが事前の申請が要る、(3)ガソリン代や車両は事業で使った分だけ経費にできる、(4)帳簿は付けて一定期間保存する義務がある——この4つを押さえれば大枠は外さない。ただし税額を左右する金額や制度は改正で動く。この記事は2026-07-08時点の情報として国税庁の一次情報をもとに基礎を整理するもので、最終的な判断は所轄の税務署か税理士に確認してほしい。

確定申告はいつ・誰がやるのか

所得税の確定申告は、その年の1月1日から12月31日までの所得について、原則として翌年の2月16日から3月15日までに申告・納税する。期限が土日祝にあたる年は翌平日にずれる。直近の令和7年分(2025年分)は3月15日が日曜だったため、令和8年(2026年)2月16日(月)から3月16日(月)までが受付・期限だった(2026-07-08時点)。軽貨物ドライバーの運送収入は「事業所得」にあたり、これで一定の所得を得ているなら申告が必要になる。申告を忘れたり期限に遅れたりすると、無申告加算税などの加算税や延滞税がかかる場合があるため、期間内に済ませることが基本だ。

控除で税額が変わる——青色申告と基礎控除

確定申告には「白色申告」と「青色申告」があり、青色申告を選ぶと「青色申告特別控除」で所得を差し引ける。正規の簿記の原則(一般に複式簿記)で記帳し、貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付して申告期限内に提出すれば55万円。これに加えて「仕訳帳・総勘定元帳の電子帳簿保存」か「e-Taxによる電子申告」のどちらかを満たすと65万円になる。これらの要件を満たさない簡易な記帳の場合は最大10万円だ(2026-07-08時点)。同じ所得でも、青色を使うかどうかで課税される金額が変わる。

注意したいのは、青色申告には事前の申請が要る点だ。青色申告をしようとする場合、原則としてその年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。ただしその年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は、事業開始日から2か月以内に出す。あわせて、新たに事業を始めたときは「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」も提出する(国税庁の案内では開業後1か月以内)。開業したばかりの人はこの申請期限を逃すと初年度に青色申告が使えないので、開業届と青色申告承認申請書はセットで早めに出しておくのが安全だ。

もう一つ、誰にでも適用される「基礎控除」が令和7年度税制改正で見直された。原則として令和7年12月1日に施行され、令和7年分以後の所得税に適用される。改正前は所得にかかわらず一律48万円だったが、改正後は合計所得金額に応じた段階になり、132万円以下は95万円、132万円超336万円以下は88万円、336万円超489万円以下は68万円、489万円超655万円以下は63万円、655万円超2,350万円以下は58万円となる(2026-07-08時点)。ただし132万円超655万円以下の各区分の上乗せは当面の措置で、令和9年分以後は58万円に戻るとされている。多くのドライバーが関わる所得帯では控除額が改正前より増える形になるが、金額は改正で動くため、実際の申告では国税庁の最新の案内で確認してほしい。

経費と帳簿——家事按分・減価償却・保存年限

経費は「事業のために使った分」だけ計上できる。軽貨物では、事業とプライベートの両方で使う車のガソリン代や自動車関連の費用は、事業で使った割合に応じて按分(家事按分)した分だけが経費になる。車両本体のように高額なものは買った年に一括で経費にはできず、法定耐用年数に応じて数年に分けて費用にする「減価償却」で処理する。なお青色申告者(中小企業者等)には特例があり、取得価額30万円未満の資産は、平成18年4月1日から令和8年3月31日までに取得して事業に使った場合、一定の要件のもとで取得価額の全額をその年の必要経費にできる(1年あたり合計300万円が上限、2026-07-08時点)。

帳簿は、個人で事業を行うすべての人に記帳と帳簿書類の保存義務がある(所得税の申告が必要ない人を含む)。保存期間は申告方法で異なる。青色申告では、帳簿・決算関係書類・現金預金取引等関係書類が原則7年(その他の書類は5年)。白色申告(記帳義務のある人)では、法定帳簿が7年、それ以外の帳簿・書類が5年だ。日々の記録が経費計上や控除額の根拠になるので、レシートや通帳も含めて残す前提で記帳の仕組みを作っておきたい。

消費税とインボイスの「2割特例」(期限つきの措置)

所得税とは別に、消費税の話も押さえておきたい。免税事業者がインボイス(適格請求書)発行事業者になった場合の負担軽減として「2割特例」があり、納める消費税額を売上にかかる税額の2割にできる。適用できるのは令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日が属する各課税期間で、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることなどの要件がある(2026-07-08時点)。また、免税事業者などからの仕入れについては、支払う側が仕入税額控除できる割合を段階的に下げる経過措置があり、2023年10月1日から2026年9月30日までは仕入税額相当額の80%を控除できる(2026年10月1日以降の割合は当初50%とされていたが、令和8年度税制改正でこの区分が見直され、2026年10月から70%、2028年10月から50%、2030年10月から2031年9月末までは30%と、控除割合を段階的に引き下げつつ期限を延長する方向とされている。2026-07-08時点、詳細は国税庁の最新情報で確認)。これは主に免税のドライバーへ外注する元請・事業者側に関わる話だが、免税事業者のままでいるか登録するかは取引先との関係も含めて判断したい。

結局どうすればいいか

まずは、確定申告は原則2月16日〜3月15日(期限が休日なら翌平日。直近の令和7年分は令和8年3月16日まで)に、運送収入を事業所得として行うと押さえる。節税したいなら青色申告を選び、期限(原則その年の3月15日、1月16日以後の開業なら開業から2か月以内)までに青色申告承認申請書を出す——開業届とセットで早めに、が鉄則だ。日々は帳簿を付けてレシート・通帳を保存し(青色は原則7年)、経費はガソリンや車両を事業で使った分だけ家事按分・減価償却で計上する。基礎控除や少額資産の特例、インボイスの2割特例は金額・期限が改正で動くので、この記事は2026-07-08時点の目安として読み、実際に申告する前に国税庁の最新情報を確認し、判断に迷う場合は所轄の税務署か税理士に相談してほしい。

出典・参考

官公庁など一次情報を中心に確認しています(確認日を併記)。

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