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経費・税務

軽貨物の燃料費と家事按分のやり方|走行距離で分けて経費にする手順

軽貨物(黒ナンバー)で仕事とプライベート兼用の車を使うドライバー・事業者が、ガソリン代・軽油代を家事按分で正しく経費にするための実務。走行距離での按分・運転日報とレシートの残し方・勘定科目・帳簿の保存年限を、国税庁の一次資料に沿って整理する。

軽貨物ナレッジ編集部公開 2026年7月8日時点の情報
目次
  1. 家事按分とは — 仕事で使った分だけが経費になる
  2. 按分のやり方 — 走行距離が基本、使えないなら使用日数
  3. 客観的な記録の残し方と勘定科目
  4. 帳簿・書類の保存年限(青色・白色・インボイス)
  5. 結局どうすればいいか

仕事とプライベートで同じ車を使う軽貨物(黒ナンバー)ドライバーが、ガソリン代や軽油代を経費にするときの結論はシンプルだ。仕事で使った分だけが経費になり、私用で走った分は経費にできない。この「仕事分と私用分を分ける」作業を家事按分といい、燃料費は軽貨物で最も多い経費項目のひとつだからこそ、正しく分けて根拠を残すことが何より重要になる。分ける基準は走行距離が基本、その根拠は運転日報と給油レシートで残す。以下、順番に整理する。

家事按分とは — 仕事で使った分だけが経費になる

1台の車を仕事にも私用にも使っている場合、その車にかかる費用は「家事関連費」と呼ばれ、事業に使った部分と生活(私用)に使った部分が混ざっている。所得税の基本通達(45-1・45-2)は、この家事関連費のうち事業に必要な部分だけを必要経費にできると定めている。ガソリン代・軽油代も同じで、仕事の配達で走った分は経費、買い物や家族の送迎など私用で走った分は経費にできない。この線引きが家事按分だ。

ここでよく誤解されるのが「50%」という数字だ。所得税法施行令96条は、家事関連費のうち業務の遂行上必要な部分が支出金額の50%を超えるかどうかで「主たる部分かどうか」を判定するとしている。ただし基本通達45-2によって、たとえ業務に必要な部分が50%以下であっても、その必要な部分を明らかに区分できるなら、区分した分は必要経費に算入できる。つまり「事業使用が50%を超えないと経費にできない」というのは誤りだ。大切なのは割合の大小ではなく、業務に使った分を合理的な根拠で区分できるかどうかで、何%が正解という決まった数字はない。

按分のやり方 — 走行距離が基本、使えないなら使用日数

ガソリン代・軽油代を按分する代表的な方法は、走行距離を使う計算だ。1年間の総走行距離のうち事業の走行が占める割合を按分率とし(事業走行km ÷ 総走行km)、その率をかけた金額を経費にする。例えば1年間の総走行距離が20,000km、そのうち配達など仕事の走行が16,000kmだったとすると、按分率は16,000 ÷ 20,000 = 80%。仮に1年間の燃料代が30万円なら、30万円 × 80% = 24万円を経費に計上し、残りの6万円(私用分)は経費から外す、という形になる。走行距離を正確に把握しづらい場合は、使用日数で按分する方法もある(事業で使った日数 ÷ 全体の日数)。ここに挙げた数字はあくまで計算の例で、正解の割合ではない。どの方法でも、その割合が自分の実際の使い方を反映した合理的なものであることが前提だ。

客観的な記録の残し方と勘定科目

按分率が合理的だと示すには、客観的な記録が要る。基本になるのは運転日報だ。日付・行き先・走行距離・目的(仕事か私用か)を記録しておけば、事業走行の合計を積み上げられる。あわせて給油のたびにレシート・領収書を保管する。税務調査で按分の根拠を尋ねられたとき、いつでも提示できる状態にしておくのが目的だ。黒ナンバーの車は事業用として登録されているため事業使用の割合が高くなりやすいが、私用でも乗るなら按分は必要で、私用分は正直に外しておくほうが後々の説明が楽になる。

帳簿につけるときの勘定科目は、実は1つに固定されていない。ガソリン代は「車両費」「燃料費」「旅費交通費」のいずれで処理してもよく、大切なのは一度決めた科目を毎回変えずに継続して使うことだ。按分したうち業務利用分だけを経費に計上し、私用分は「事業主貸」として処理して事業の経費から除く。なお軽貨物でディーゼル車(軽油)を使う場合、軽油の価格に含まれる軽油引取税はガソリン税と課税の仕組みが異なり、仕訳上の扱いがガソリン代と変わる点に注意する。ガソリン代のほかにも、高速料金・駐車場代(旅費交通費)、自賠責・任意保険(保険料)、軽自動車税(租税公課)、車両購入費の減価償却費など、軽貨物で経費にできる項目は幅広い。

帳簿・書類の保存年限(青色・白色・インボイス)

作った記録は保存義務がある。そもそも事業を行うすべての個人には(所得税の申告が不要な人を含めて)記帳と帳簿書類の保存が義務づけられており、白色申告でも記帳・保存は必須だ。保存年限は申告の種類で少し違う。白色申告の場合、収入金額や必要経費を記載した『法定帳簿』は7年、それ以外の任意帳簿は5年、決算関係書類や領収書・請求書などの書類は5年保存する(2026-07-08時点)。

青色申告の場合は、仕訳帳・総勘定元帳などの帳簿と決算関係書類が7年、現金預金取引等の証明書類(領収書など)は原則7年だが、前々年分の事業所得等が300万円以下の場合は5年でよい。請求書・見積書などその他の書類は5年だ。さらに、消費税の課税事業者がインボイス(適格請求書)等を仕入税額控除の要件として保存する場合や、自分が交付した適格請求書の写し・データを保存する場合は、上記に関わらず7年間の保存が必要になる(2026-07-08時点)。運転日報や給油レシートは、この保存期間の間ずっと按分の根拠として効いてくるので、あわせて残しておく。

結局どうすればいいか

まず、仕事と私用で同じ車を使っているなら、ガソリン代・軽油代は家事按分して仕事分だけを経費にする。按分率は走行距離(事業走行km ÷ 総走行km)で出すのが基本で、難しければ使用日数で出す。何%が正解という数字はなく、自分の実際の使い方に沿った合理的な割合であることが要件だ。その根拠として運転日報(日付・行き先・走行距離・目的)と給油レシートを必ず残す。帳簿では車両費・燃料費・旅費交通費のどれか1つの科目を継続して使い、業務分を経費、私用分は『事業主貸』で外す。記録と書類は、白色でも青色でも定められた年限(短くて5年・長くて7年、インボイス関係は一律7年)保存する。制度や保存年限の細かい条件は変わりうるので、金額や期限にかかわる最終判断は国税庁の最新情報で確認してほしい(いずれも2026-07-08時点)。

出典・参考

官公庁など一次情報を中心に確認しています(確認日を併記)。

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