軽貨物の手数料・ロイヤリティで確認すべきこと ― 表面単価より「手取り」で見る
軽貨物の業務委託では、表面上の単価からロイヤリティ・電算処理費・車両リース・保険・ガソリンなどが天引きされ、手取りは大きく変わる。契約前に「差し引かれる全項目」と「手取り」を書面で確認するための相場と法律のポイントを整理する。
軽貨物の業務委託で提示される「1配送○円」「日当○円」といった表面上の単価は、そのまま手元に残る金額ではありません。そこから業務委託手数料(ロイヤリティ)や車両・保険・ガソリンなどが差し引かれ、手取りは大きく目減りします。この記事では、契約前に必ず確認しておきたい「差し引かれる項目」と「手取りの見方」を、相場と法律の両面から整理します(相場の数値は2026-07-08時点の業界メディア情報です)。
先に結論です。第一に、比べるべきは表面単価ではなく「すべての天引きを引いたあとの手取り」。第二に、ロイヤリティ・電算処理費・車両リース・保険・ガソリンなど、引かれる項目とその金額を契約前に書面で出してもらう。第三に、2024年11月施行のフリーランス新法により、発注側は報酬額や支払期日を書面かメールで明示する義務があるため、内訳の提示を求めるのは正当な権利です。おかしいと感じたら「フリーランス・トラブル110番」に無料で相談できます。
「表面単価」と「手取り」は別物
軽貨物の業務委託手数料は「ロイヤリティ」と呼ばれ、大きく分けて売上に対する歩合(パーセント)型と、月額固定型があります。業界メディアの相場情報では、歩合型はおおむね売上の10〜15%程度とされます(2026-07-08時点)。ただしこれは市場の目安で、会社や案件によって幅があります。まずは「自分の契約が歩合型なのか固定型なのか」「率や金額はいくらか」を、はっきり確認するところから始めます。
ロイヤリティは天引きの一部にすぎません。ある業界メディアの試算例では、月の総売上が363,000円、ロイヤリティ15%で54,450円が引かれ、さらに車両リース料(例:月4万円)・保険料(例:月2万円)・ガソリン代(例:月3万円)・保守費用(例:月1万円)で合計10万円が引かれ、手取りは約208,550円になります。売上36万円台でも手取りは20万円台前半、という構図です。あくまで一例ですが、「表面単価が高い=稼げる」とは限らないことを示しています。
天引きされる項目をすべて洗い出す
引かれる名目はロイヤリティだけではありません。荷主への請求書作成を代行する「電算処理費」として月5千円程度、車両のレンタル・リース代として月2万〜3万円程度が固定で引かれる例があり、そのほか保険料・ガソリン代・保守費用、管理費・運営費・事務手数料・システム利用料といった名目が使われることもあります。まず「毎月いくら、何の名目で引かれるのか」を一つずつ書き出して合計額を把握してください。ここで注意したいのが「ロイヤリティなし」をうたう募集です。手数料をゼロにしても別の名目で実質的な費用が発生していることがあるため、内訳がきちんと説明されているかを確かめる必要があります。業界メディアでは、売上の20%以上のマージンは法外とされる一方、単価を先に低くしておいて「マージンは5%程度と安い」と見せる業者もあると指摘されています。数字の見せ方に惑わされず、最終的に手元へ残る手取りで複数社を比べるのが確実です。
フリーランス新法を「内訳を出して」の根拠にする
内訳の提示を求めることには、法的な後ろ盾があります。2024年(令和6年)11月1日に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法」(フリーランス新法)では、従業員を雇わずに働く個人の軽貨物ドライバーなどが「特定受託事業者」として保護されます。発注側は業務委託にあたり、業務の内容・報酬の額・支払期日・両者の名称などを、書面か電磁的方法(メールやSNSのメッセージ等)で明示しなければなりません。口頭のみの説明は認められていません。ですから「報酬から何がいくら引かれるのか、書面で示してください」と求めるのは、正当なお願いです。
支払いのルールも定められています。発注側は、荷物などを受け取った日から数えて60日以内のできるだけ短い期間で支払期日を決め、その日までに報酬を支払う義務があります。また1か月以上の委託では、ドライバーに責任がないのに後から報酬を減額することは、協賛金の徴収のような名目や金額にかかわらず「報酬の減額」として禁止されます。契約後に「やっぱり手数料を上げる」「この費用も負担して」と一方的に押し付けられた場合は、この禁止に触れる可能性があります。
委託先が法令を守っているかも見る
手数料とは直接関係しませんが、委託先そのものが法令に対応しているかも、業者選びの材料になります。2025年4月から、黒ナンバーの貨物軽自動車運送事業には安全対策が強化され、貨物軽自動車安全管理者の選任、初任運転者などへの特別な指導・監督、業務記録の作成、事故時の再発防止対策の記録・報告などが義務づけられました。これは個人で営む事業者も含め、規模にかかわらず対象です。こうした義務にきちんと対応している会社かどうかは、長く安心して働けるかを見極める一つの目安になります。
結局どうすればいいか
やることは3つです。第一に、複数の委託先を比べるときは表面単価ではなく、ロイヤリティ・電算処理費・車両リース・保険・ガソリンなど、すべての天引きを引いたあとの「手取り」で比べる。第二に、契約前に「毎月いくら、何の名目で引かれるのか」を書面かメールで出してもらう。フリーランス新法の明示義務があるので、これは遠慮なく求めてよい正当な確認です。第三に、後から一方的に手数料を上げられる・不当な費用を押し付けられるなど、おかしいと感じたら、書面やメールを手元にそろえて「フリーランス・トラブル110番」(無料)に相談する。表面の数字ではなく、差し引き後の手取りという事実で判断することが、後悔しない委託先選びの近道です(相場の数値は2026-07-08時点)。
出典・参考
官公庁など一次情報を中心に確認しています(確認日を併記)。
- 2025年公正取引委員会フリーランス法特設サイト(公正取引委員会)2026年7月8日 確認
- フリーランスが安心して働ける環境づくりのための法律(政府広報オンライン(内閣府政府広報室))2026年7月8日 確認
- フリーランス・トラブル110番(厚生労働省委託事業)(厚生労働省(委託事業・第二東京弁護士会))2026年7月8日 確認
- 貨物軽自動車運送事業における安全対策を強化するための制度改正について(国土交通省)2026年7月8日 確認
- 軽貨物のロイヤリティとは。中抜きの実態や相場について徹底解説(hakobozu)2026年7月8日 確認
- 軽貨物委託業者のマージン(手数料)一覧(karukamo.info)2026年7月8日 確認
- 軽貨物配送業界の中抜きとは?ロイヤリティの相場や手取り(祇園デリバリーサービス(軽カモツネット))2026年7月8日 確認
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