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軽貨物事業者が使える補助金と助成金 — 一人親方でも狙えるものと、雇う人向けのもの

軽貨物(黒ナンバー)で使える国の支援を「車両・デジタル化・雇用」の3分野で整理。従業員を雇わない一人親方でも狙えるものと、従業員がいる事業者向けの助成金の違いと選び方を、2026-07-08時点の目安でまとめました。

軽貨物ナレッジ編集部公開 2026年7月8日時点の情報
目次
  1. 「補助金」と「助成金」はしくみが違う
  2. 一人親方がつまずく「雇用の壁」
  3. 車両とデジタル化 — 個人でも狙える支援
  4. 従業員を雇う事業者向けの雇用系助成金
  5. 結局どうすればいいか

軽貨物(黒ナンバー)で使える国の支援は、大きく「車両」「デジタル化・販路開拓」「雇用」の3つの分野に分かれます。結論から言うと、従業員を雇っていない一人親方のドライバーがまず狙えるのは、個人事業主でも単独で申請できる「小規模事業者持続化補助金」「デジタル化・AI導入補助金」、そしてEV軽バンを買うときの「CEV補助金(電気自動車の購入支援)」の3つです。一方、賃上げや正社員化を支える厚生労働省の助成金は、従業員を雇う事業者向けで、一人だけで働く人は基本的に対象外になります。この線引きを最初に押さえると、自分がどれを調べればよいかがはっきりします。

なお、この記事に出てくる金額・上限・補助率・受付期間は、すべて年度や補正予算によって変わります。以下は2026-07-08時点で公表されている内容にもとづく目安であり、実際に申請する前に必ず各制度の公式サイトで最新の条件を確認してください。

「補助金」と「助成金」はしくみが違う

同じ支援でも「補助金」と「助成金」は性質が違います。経済産業省・中小企業庁などの「補助金」は、決められた予算の枠のなかで公募し、申請内容を審査したうえで採択される仕組みです。申請できる期間や採択される事業者の数に限りがあり、申請すれば必ず受け取れるわけではありません。これに対して厚生労働省の「助成金」は、決められた要件を満たせば原則として受給できます。まずは「補助金は採択制で当たり外れがある」「助成金は要件をそろえれば通る」という違いを頭に入れておきましょう。

一人親方がつまずく「雇用の壁」

厚生労働省の雇用関係助成金(あとで触れる業務改善助成金やキャリアアップ助成金など)の多くは、雇用保険が適用される事業所、つまり従業員を雇っている事業主が原則の対象です。従業員を一人も雇っていない一人親方・個人事業主は、これらの助成金の多くが対象外になります。逆に言えば、人を1人でも雇えば労働保険の関係成立届を出すことが前提となり、雇用系の助成金を検討できる立場になります。まずは自分が「雇っている側かどうか」で、狙える制度が大きく変わると理解してください。

車両とデジタル化 — 個人でも狙える支援

電気自動車の軽バンを買うときに関係するのが、次世代自動車振興センターが交付する「CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)」です。軽貨物が導入する軽バンEVは「軽EV」の区分にあたり、補助の上限は最大58万円が目安(令和7年度補正)、普通乗用のEVは最大130万円が目安とされています。補助額は登録の時期・車種・GX加算などで変わるため、対象車種と金額は購入前に公式の対象車両一覧で確認するのが確実です。より大きな貨物車の電動化を考える事業者向けには、環境省が国土交通省・経済産業省と連携する「商用車等の電動化促進事業」があり、電動化(BEV・PHEV・FCV)したトラックなどの商用車や充電設備の導入費を支援します(トラック分は環境優良車普及機構(LEVO)などが公募・受付を実施)。台数や車格を上げる段階での選択肢です(2026-07-08時点)。

経理や請求のクラウド化・業務効率化には「デジタル化・AI導入補助金2026」(旧IT導入補助金)が使えます。日本国内で事業を営む中小企業・小規模事業者・個人事業主が対象で、一人親方でも申請できます。会計・受発注・決済・ECなどのITツール導入を支援し、通常枠のほかインボイス枠・セキュリティ対策推進枠・複数者連携枠などの申請枠があります。補助額は1者あたり最大450万円、補助率は基本2分の1で、小規模事業者が賃上げなどの要件を満たすと最大5分の4まで上がる場合があります(枠・類型により異なる)。集客・受注拡大などの販路開拓には「小規模事業者持続化補助金」があり、経営計画をつくって商工会・商工会議所の支援を受けて行う取り組みを補助します。一般型・通常枠の補助上限は基本50万円、特例を活用すると最大250万円、補助率は原則3分の2(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は4分の3)が目安で、個人事業主も対象です。2026年の一般型・通常枠の申請受付は2026年11月5日〜12月15日とされ、商工会地区と商工会議所地区で窓口が分かれるため、自分の地域がどちらかを先に確認しておきましょう(2026-07-08時点)。

従業員を雇う事業者向けの雇用系助成金

ドライバーを雇っている事業者は、賃上げや正社員化を支える厚生労働省の助成金を検討できます。「業務改善助成金」は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を50円以上引き上げ、生産性向上につながる設備投資などを行った中小企業事業主に費用の一部を助成する制度で、従業員の賃上げが前提です。助成の上限は最大600万円、助成率は事業場内最低賃金が1,050円未満で5分の4、1,050円以上で4分の3が令和8年度の基準です。ここで注意したいのが、令和8年度(2026年度)から業務改善助成金で自動車(特殊用途自動車を除く)が原則として助成対象外になった点です。以前は「車両購入にも使える」という解説が多く出回っていますが、8ナンバーの特殊用途自動車は引き続き対象、特例事業者は一定の要件下で乗用自動車が対象に含まれる場合がある、という限られた扱いに変わりました。軽貨物の一般的な軽バン購入を業務改善助成金でまかなう従来の使い方は今は当てはまりにくいので、古い年度の情報をそのまま信じないよう注意してください(2026-07-08時点)。

正社員化を進めるなら「キャリアアップ助成金」の正社員化コースがあります。有期雇用の労働者などを正社員に転換した事業主に助成する制度で、重点支援対象者に該当すると中小企業で1人あたり最大80万円(40万円×2回)が目安です。転換後に賃金を3%以上引き上げることなどが支給の要件で、こちらも雇用保険が適用される事業所であることが前提です。従業員を雇い、その処遇を改善していく段階で使える制度だと考えるとよいでしょう(2026-07-08時点)。

結局どうすればいいか

まず自分の立場を確認します。従業員を雇っていない一人親方なら、個人事業主でも単独で狙える「小規模事業者持続化補助金」「デジタル化・AI導入補助金」、EV軽バンを買うなら「CEV補助金」の3つが現実的な候補です。ドライバーを雇っている事業者なら、これらに加えて賃上げの「業務改善助成金」や正社員化の「キャリアアップ助成金」も検討できます。ただし業務改善助成金は令和8年度から車両購入が原則対象外になったので、車の購入目的では当てにしないこと。加えて、都道府県や市区町村が貨物軽自動車運送事業者向けに物価高騰対策の支援金などを独自に設けている場合もあり(例として千葉県が運送事業者向けの支援を行った例があります)、対象地域や実施時期が限られるため、お住まいの自治体や地元のトラック協会・運輸支局でも最新の募集を確認しておくと取りこぼしがありません。補助金は採択制で受付期間も決まっているため、狙う制度を1つに絞ったら早めに公式サイトで最新の要件・金額・締切を確認し、必要なら商工会・商工会議所や運輸支局に相談しながら準備を進めるのが、遠回りしない進め方です(金額・期間はすべて2026-07-08時点の目安)。

出典・参考

官公庁など一次情報を中心に確認しています(確認日を併記)。

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